Next Gen ATP Finalsについて


11月5日~9日、イタリアのミラノで21歳以下のトップ選手8名で争うNext Gen ATP Finalsが開催中です。
2017年から始まったこの大会は今年で3回目。現在の世界のテニスではBIG3と呼ばれるフェデラー、ナダル、ジョコビッチが君臨していて若手の壁となっていますが、この大会にはそのBIG3は出場しません。若手にクローズアップした大会となっています。

この大会が面白いのは、出場者を21歳以下に限定しただけでなく、これまでにない新しい取り組みを多く取り入れているところにあります。

まず試合のフォーマットですが、4人ずつの2グループに分けてリーグ戦を行い、各グループ上位2名によるトーナメントが行われるという点では11月10日からロンドンで開催されるNitto ATP Finalsと同様なのですが、Next Genでは4ゲーム先取の5セットマッチ、3-3でタイブレーク、ノーアドバンテージというゲーム形式が採用されています。

ポイントとポイント間の時間を厳密にするために25秒カウントダウンする時計(ショットクロック)を設置したり、タオルはボールパーソンではなくコート後ろにあるタオル用のラックに選手自身が取りに行く必要があったり、線審の代わりにホークアイ(グランドスラムなどではチャレンジの場合にのみ使われるセンサーシステム)がインかアウトの判断をしたりと人の省力化やクイックな試合展開を目的としたものが採用されています。

さらにはセットとセットの間には、ヘッドホンを使ってコーチと通信しオンコートコーチングを受けたり、タブレット端末でスタッツを確認することもできます。また、ウェアラブルセンサーを身に着けた状態でプレーすることが可能で試合終了後にセンサーデータを確認し次の戦略に活かすこともできるようになっています。

私が注目したいのは、このような新しい取り組みもさることながら、この大会については観客はプレー中であっても席にじっと座っている必要はなく、ベースライン後方以外であればプレー中も自由に移動することができるようになっていることです。これは選手から不評な面もあるのですが、ファン目線で考えたらテニス観戦の自由度が格段に向上するアイデアだと思っています。

通常だとどうしても大人しくじっと観戦するしかなく、他のスポーツに比べてdisadvantageな点だったと考えています。こういった取り組みがNextt Genだけでなく他の試合でも採用されて、選手もそれが当たり前のように思えるようになると今とは全然違った状況になるのかもしれません。
まぁ、私自身がこのルールのもとでプレーしたいか、と聞かれると微妙ではあるのですが。。。

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